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総合型選抜はいつから準備する?学年別スケジュールと親がやるべきこと

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ProofPath編集部

総合型選抜の対策情報を発信。AI添削・活動ログ・第三者検証サービスを運営。

総合型選抜は「いつから始めるか」で合否が分かれる入試です。

一般入試なら高3の夏から本気を出して逆転する受験生もいます。しかし総合型選抜では、出願書類に書く「活動実績」や「志望理由」の説得力は、準備期間の長さに比例します。高3の9月に出願が始まってから慌てて志望理由書を書く受験生と、高2から自分の関心を掘り下げて活動してきた受験生では、書類の厚みがまるで違います。

この記事では、総合型選抜の年間スケジュールを月別に整理した上で、「高1・高2・高3、それぞれ今何をすべきか」を逆算プランとして具体的に示します。保護者の方向けのサポート内容も後半でまとめました。


総合型選抜の年間スケジュール -- 出願から合格発表までの流れ

まず全体像を押さえましょう。文部科学省の規定により、総合型選抜の出願開始は9月1日以降と定められています。ただし、出願の前段階として「エントリー」「オープンキャンパス参加」が必須の大学も多く、実質的なスタートラインは6月頃です。

14〜5月:募集要項の公開 -- 大学が総合型選抜の募集要項を公式サイトに掲載。出願条件・提出書類・試験日程を確認する時期
26〜7月:エントリー・オープンキャンパス -- 私立大学を中心に事前エントリーが始まる。オープンキャンパス参加が出願条件の大学もあるため、この時期の参加は必須
38月:出願書類の最終準備 -- 志望理由書・活動報告書・調査書などの出願書類を仕上げる。学校の先生に調査書を依頼するのもこの時期
49月:出願開始 -- 文科省規定により9月1日以降。私立大学の多くは9月中に出願締切を設定
510〜11月:選考(面接・小論文・プレゼン) -- 大学ごとに面接、小論文、プレゼンテーション、グループディスカッションなどが実施される
611〜12月:合格発表(私立大学) -- 多くの私立大学はこの時期に合否を通知
71〜2月:合格発表(国公立大学) -- 大学入学共通テストを課す国公立大学の場合、合格発表は1月以降にずれ込む

注意すべきは、上のスケジュールが「出願年度(高3の年)」のものだという点です。出願書類に書く活動実績や志望理由の準備は、このスケジュールよりもずっと前から始める必要があります。

国公立と私立でスケジュールが異なる

私立大学の総合型選抜は、9月出願 → 10〜11月選考 → 11〜12月合格発表というスピード感で進みます。一方、国公立大学は大学入学共通テストの受験を求めるケースが多く、出願は9月でも最終的な合格発表は2月頃になることがあります。志望校が国公立か私立かで、スケジュールの組み方が大きく変わります。


学年別の準備スケジュール -- 高1・高2・高3で「今やるべきこと」

高1:土台づくりの時期(残り約2年)

高1の段階で総合型選抜を意識している人は少数派です。だからこそ、この時期に動き始めた人は圧倒的に有利になります。

1
関心のあるテーマを見つける -- 授業、ニュース、読書、日常生活の中で「なぜ?」と思ったことをメモする習慣をつける。テーマは後から変わっても構わない
2
小さな活動を1つ始める -- ボランティア、地域活動、自主研究など、何でもいい。大事なのは「自分から始めた」という事実を作ること
3
活動の記録を残す -- 何をして、何を感じて、何を学んだかを記録する。出願時に活動報告書を書く際、この記録が最大の素材になる
4
定期テストの成績を維持する -- 総合型選抜でも評定平均は見られる。高1の成績は出願時の評定に含まれるため、手を抜けない

高1でやるべきことの本質は「探究のタネを蒔くこと」です。華やかな活動実績は不要。自分が何に興味があるのかを探り、その方向に小さな一歩を踏み出すだけで十分です。

高2:方向性を固め、活動を深める時期(残り約1年)

高2は、総合型選抜の準備において最も重要な1年です。「何を学びたいか」「なぜその大学か」という問いに、自分なりの答えを持てるかどうかが決まる時期だからです。

1
志望分野を絞り込む -- 高1で見つけた関心テーマを深堀りし、「大学で何を学びたいか」を具体化する。まだ1つに絞れなくても、2〜3の方向性があればOK
2
志望校の候補を3〜5校リストアップする -- 大学の公式サイト、アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)、過去の総合型選抜の募集要項を調べる。出願条件(評定平均・資格・活動実績など)を早めに確認しておく
3
活動を「深める」フェーズに入る -- 高1で始めた活動をさらに発展させる。もしくは新たな活動を始めて、複数の経験を志望分野に結びつける
4
オープンキャンパスに参加する -- 高2のうちに志望校のオープンキャンパスに行っておく。高3のオープンキャンパスは出願直前で余裕がないため、高2での訪問が貴重な情報収集の機会になる
5
志望理由書の「素材」を蓄積する -- 志望理由書の完成は高3でいいが、「書く素材」は高2から集めておく。活動で感じたこと、大学の授業で学びたいこと、将来やりたいことをメモしておく
高2の夏が最大の分岐点

高2の夏休みは、まとまった時間が取れる最後のチャンスです。ここで活動を一段深められるかどうかが、高3で書く志望理由書の説得力を左右します。たとえば「地域の高齢者問題に関心がある」なら、高2の夏に地元の福祉施設でボランティアをしたり、自治体の統計データを調べて簡単なレポートをまとめたりする。こうした具体的な経験が、志望理由書に「自分だけのストーリー」を書くための素材になります。

高3:仕上げと実行の時期

高3は、準備してきたものを「出願書類」と「面接・小論文」という形にまとめ上げる時期です。新しいことを始めるよりも、これまでの活動を整理し、言語化することに集中します。

14〜5月:志望校を確定し、募集要項を熟読する -- 出願条件の最終確認、提出書類のリストアップ
25〜6月:志望理由書の執筆を開始する -- 「なぜこの分野か」「なぜこの大学か」「将来どうしたいか」の3軸で書く。第三者に読んでもらいフィードバックを受ける
36〜7月:オープンキャンパス・エントリー -- 出願条件の大学には必ず参加。エントリーシートの提出が必要な場合は締切を厳守
47〜8月:志望理由書の完成 + 面接・小論文対策の開始 -- 書類を完成させつつ、面接の想定質問への回答を準備。小論文の過去問に取り組む
59月:出願 -- 書類の最終チェック、調査書の受け取り、郵送(消印有効か必着か要確認)
610〜11月:選考本番 -- 面接、小論文、プレゼンなど。直前の1週間は過去の選考内容を確認し、最終調整に充てる

「今から間に合う?」学年 x 時期別の逆算プラン

「スケジュールは分かったけど、自分の場合は今からで間に合うのか」。これが最も切実な疑問でしょう。学年と時期の組み合わせ別に、現実的な判断をまとめます。

高1(いつからでも余裕あり)

高1なら、いつ始めても十分な時間があります。焦る必要はありません。ただし、「まだ時間がある」と思って何もしないまま高2になるのが一番もったいない。今やるべきことは1つだけ。自分の関心を探る習慣をつけることです。ニュースを見て「なぜ?」と思ったことをスマホのメモに書く。それだけで十分です。

高2の春〜夏(理想的なタイミング)

総合型選抜の準備を始めるタイミングとして最も理想的です。出願まで約1年半あるため、活動を深め、志望理由を練り上げる時間が十分にあります。

高2春〜夏スタートの逆算プラン

- 高2・4〜7月:関心テーマの絞り込み + 志望校リサーチ + オープンキャンパス参加
- 高2・8〜9月:夏休みを使って活動を深める(ボランティア、調査、自主研究など)
- 高2・10〜3月:活動の継続 + 志望理由の素材集め + 評定平均の維持
- 高3・4〜6月:志望理由書の執筆開始 + エントリー準備
- 高3・7〜8月:書類完成 + 面接・小論文対策
- 高3・9月〜:出願 → 選考 → 合格発表

高2の秋〜冬(まだ十分間に合う)

出願まで約1年。活動実績をゼロから積み上げるには少しタイトですが、「短期間で密度の高い活動をする」ことで十分カバーできます。

1
志望分野に直結する活動を1つ選び、集中して取り組む -- 複数の活動に手を出すより、1つを深くやるほうが志望理由書に説得力が出る
2
活動の記録を毎回つける -- 「いつ・何をして・何を感じたか」を残す。出願書類を書くときの素材になる
3
高2の冬から志望理由書の下書きを始める -- 完成させる必要はないが、「自分はなぜこの分野を学びたいのか」を文章にしてみることで、足りない要素が見えてくる

高3の春(急いで動けば間に合う)

正直に言えば、ギリギリです。ただし、「間に合わない」わけではありません。

高3の春から始める場合の最大のハードルは、「活動実績の不足」です。しかし、大学が総合型選抜で見ているのは活動の「量」ではなく「質」と「プロセス」です。高3の春から半年間で1つの活動に集中して取り組み、そこから得た気づきや学びを志望理由書に反映させれば、勝負はできます。

before
高3の4月。活動実績なし。志望理由も漠然としている。「今からじゃ無理だ」と諦めかけている。
:::

After
高3の4〜5月に関心テーマを決め、5〜7月に集中的に活動(調査・ボランティア・自主研究)。8月に志望理由書を一気に仕上げ、9月に出願。面接では「短期間だが深く取り組んだプロセス」を語れる状態になっている。

:::

ただし、高3の春スタートでは志望校選びに使える時間が限られるという弱点があります。「オープンキャンパスに行ってから決めよう」と悠長に構えている暇はありません。大学の公式サイトとアドミッション・ポリシーを読み込み、早急に志望校を確定させる必要があります。

課外活動がない状態からの準備については、課外活動なしの高校生が総合型選抜で勝つ方法で詳しく解説しています。

高3の夏以降(一般入試との併願を前提に)

高3の夏以降に「総合型選抜を受けたい」と思い立った場合、受験自体は可能です。ただし、準備不足のまま出願しても合格可能性は低いため、一般入試の勉強を止めないことが絶対条件です。

総合型選抜を「チャンスの1つ」として受けつつ、不合格だった場合に一般入試で勝負できる学力を維持しておく。この両立ができるなら、チャレンジする価値はあります。


保護者がやるべき3つのサポート

総合型選抜は、保護者のサポートが合否に影響する入試です。一般入試なら「勉強しなさい」と言うだけで済みますが、総合型選抜では書類準備、活動計画、出願手続きなど、多方面での支援が求められます。

1. 費用の準備と見通しを立てる

総合型選抜の準備にかかる費用を整理しておきましょう。

項目費用目安
受験料(1校あたり)30,000〜35,000円
オープンキャンパス交通費(2〜3校分)10,000〜50,000円
書籍・教材費5,000〜15,000円
対策塾(通う場合)月額30,000〜120,000円
志望理由書の添削サービス10,000〜50,000円
証明写真・郵送費3,000〜5,000円

対策塾に通う場合は年間で数十万円から100万円を超えることもあります。塾の費用が気になる方は、総合型選抜の塾が高い理由と代替手段を参考にしてください。塾に通わなくても合格するルートはあります。

2. 情報収集を一緒にやる

志望校の募集要項、出願条件、提出書類、過去の選考内容。これらの情報を子どもだけに任せると、見落としが起こります。特に以下の点は保護者が一緒に確認しておくべきです。

1
出願条件の確認 -- 評定平均の基準、必要な資格、出願に必要な活動実績
2
出願スケジュールの管理 -- エントリー締切、書類提出締切、選考日程を家族で共有するカレンダーに登録する
3
調査書の依頼タイミング -- 学校に依頼してから受け取るまで2〜3週間かかることがある。早めに担任に相談する
4
併願校の検討 -- 総合型選抜の結果が出る前に一般入試の出願が始まる大学もある。スケジュールの重なりを事前にチェック

3. 志望校リストを一緒に作る

「子どもがやりたいこと」と「家庭の条件(費用・距離・学費)」をすり合わせる作業は、早い段階でやっておくほうがスムーズです。高3の夏に「この大学は学費が高いからダメ」となると、準備が振り出しに戻ります。高2のうちに、以下の項目で志望校リストを作っておきましょう。

  • 学びたい分野に合った学部・学科があるか
  • 総合型選抜を実施しているか(学部によっては未実施の場合もある)
  • 出願条件(評定平均・資格など)を満たせるか
  • 学費・奨学金制度
  • 通学可能か、一人暮らしが必要か

よくある質問

総合型選抜の準備は高1からでないと間に合いませんか?
間に合わないということはありません。実際、高2の秋から準備を始めて合格する受験生は多くいます。ただし、「早く始めるほど有利」なのは事実です。理由は2つ。活動実績を積む時間が長くなることと、志望理由を練り上げる時間が増えること。高1から始めた場合は「幅広く探索してから絞り込む」余裕がありますが、高3から始めると「最初から1つに集中する」必要があります。どちらが合格しやすいかは一概に言えませんが、精神的な余裕は早期スタートのほうが大きいです。
総合型選抜と一般入試の勉強は両立できますか?
両立は可能ですが、時期によって比重を変える必要があります。高2までは一般入試の勉強(評定平均の維持を含む)を軸にしつつ、総合型選抜の準備は「活動の記録」と「関心テーマの探索」に絞る。高3の4〜9月は総合型選抜の書類準備と面接対策に比重を移す。そして9月以降は選考が終わり次第、一般入試の勉強に戻る。ポイントは、総合型選抜の準備に時間を使いすぎて一般入試の学力が落ちないようにすること。総合型選抜が不合格だったときに一般入試で戦えるよう、学力の底上げは継続してください。
評定平均はどのくらい必要ですか?
大学・学部によって異なりますが、私立大学の総合型選抜では「評定平均3.5以上」を出願条件に設定しているケースが多いです。国公立大学ではさらに高く「4.0以上」を求める場合もあります。ただし、評定平均は「出願できるかどうか」の足切りラインであり、合格を決める最大の要素ではありません。出願条件を満たした上で、志望理由書や面接の内容で差がつきます。評定平均に不安がある場合は、まず志望校の出願条件を確認し、条件を満たしていない場合は他の大学も検討してください。
オープンキャンパスに行かないと不利になりますか?
大学によります。オープンキャンパスへの参加を出願条件にしている大学もあれば、特に条件にしていない大学もあります。出願条件でなくても、行っておくことを強く推奨します。理由は、志望理由書と面接で「なぜこの大学か」を語る際に、実際にキャンパスを訪問した経験は大きな説得力になるからです。「オープンキャンパスで〇〇先生の模擬授業を受けて、△△という研究に興味を持った」と具体的に語れるのは、行った人だけの強みです。

まとめ -- 「いつから始めるか」は、今この記事を読んでいる時点で決まる

総合型選抜のスケジュールを改めて整理すると、出願は高3の9月、選考は10〜11月。しかし本当の勝負は、その何か月も前 -- 場合によっては1年以上前 -- から始まっています。

どの学年でも共通して言えることは、「今日から記録を始めること」が最初の一歩だということです。

関心のあるニュースを読んで感じたこと、参加した活動で学んだこと、志望校について調べて分かったこと。こうした日々の「気づき」を記録し続けることが、出願書類の素材になり、面接で語る「自分のストーリー」になります。

志望理由書の書き方については志望理由書800字の例文と書き方で具体的に解説しています。

ProofPathの活動ログ機能を使えば、日々の気づきや活動の記録を構造的に残せます。記録した内容は第三者検証で信頼性を担保でき、出願時にはそのまま活動報告書として出力可能です。「いつから始めるか」を悩んでいる時間があるなら、まず今日の気づきを1つ、ログに残すところから始めてみてください。

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ProofPath編集部

総合型選抜(旧AO入試)の対策に特化したオンラインサービス「ProofPath」を運営。 志望理由書のAI添削、課外活動の記録・第三者検証、面接・小論文対策のコンテンツを提供しています。 受験生と保護者が、費用の壁なく総合型選抜に挑戦できる環境を目指しています。

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